自首は弁護士に同行してもらうべき?自首同行を弁護士に依頼するメリットとは?
公開日2022/04/06
更新日2022/08/03
カテゴリ刑事事件の基礎知識ファイル
自首とは、犯罪が明るみになる前や犯人が特定される前に警察等の捜査機関へ行き、自分の罪を告白することを指します。
今回は、自首に弁護士を同行してもらうメリットや費用感について解説していきたいと思います。
【この記事のポイント】
- 弁護士に自首同行してもらうメリットがわかる
- 弁護士に自首同行を依頼する費用感がわかる
弁護士に自首を同行してもらうメリットとは?
弁護士に自首同行してもらう具体的なメリットとは何なのでしょうか。
自首をしたいと思ったら、自分ひとりでもできることなのに、弁護士に依頼して同行してもらうメリットとは何なのでしょうか。
弁護士に自首同行をしてもらうメリットとして、大きな4つのことが考えられます。
自首する前に今後の筋道が立てられる
弁護士に自首を同行してもらうメリットとして、自首した後の筋道が立てられることです。
弁護士に依頼せずに自首すると、自首後に逮捕(身柄を拘束)されてしまう可能性があるのか、起訴される可能性が高いのか、有罪になったとして懲役等の実刑判決が下されることがあるのか等、今後どのような処遇になるかわかりません。
自首後の処遇については、犯した罪や状況等によって大きく異なりますので、具体的な筋道を立てるには専門的な法知識が必要です。
弁護士に自首同行の依頼をし、自分の犯した罪や詳しい状況等を説明することによって、今後どのような処遇を受ける可能性があるのかを自首前にしっかり説明してもらうことができます。
捜査機関等に提出する上申書の作成を行ってくれる
弁護士に自首を同行してもらうメリットとして、警察等の捜査機関に提出する上申書の作成を行ってもらう点があります。
上申書とは、法的に定められている手続きによらず、意見や報告等を行う書面を指します。
自首の場合、上申書には事件の概要や逃亡・証拠隠滅の恐れがないこと、また反省の念などを記載します。
逃亡・証拠隠滅の恐れが無いと警察が判断すれば、起こした犯罪によっては、逮捕されずにすむ場合もあります。
弁護士のサポートを受けることで精神的負担が軽減される
自分が犯した罪により自首を考えた場合、今後の流れがどうなるのか、逮捕、勾留された場合の不安はとても大きいものだと思います。
しかし弁護士に自首同行を依頼すれば、取り調べ時の対応方法等のアドバイスを受けることができ、ひとりで悩んでいるときよりも精神的負担が軽減されます。
逮捕や起訴された場合継続して弁護してくれる
弁護士に自首を同行してもらうメリットとして、逮捕や勾留、起訴された場合、継続して弁護をしてくれることがあります。
弁護士が同行することなく、自首後に逮捕された場合、国選弁護士は勾留決定後でないと選任することはできません。
勾留が決定すると長期的に身柄を拘束される可能性が高くなります。しかし、自首同行を弁護士に依頼すれば、勾留請求の却下や勾留決定に対する準抗告による身柄拘束からの解放、不起訴に向けて尽力してくれます。また、起訴された場合でも、減刑できるよう弁護活動を行ってくれます。
弁護士に自首同行を依頼する場合の費用感は?
弁護士に自首同行を依頼した場合、気になるのは弁護士費用です。自首同行を依頼した場合の費用感はどれくらいを見積もっておけば良いのでしょうか。
法律事務所によって料金体系が大きく異なる
弁護士費用を考えるときの前提として、費用の価格設定は依頼する法律事務所によって大きく異なる点です。
弁護士の報酬は、法律で定められていません。したがって、各法律事務所が自由に設定できるのです。そのため、自首に同行してもらう場合にかかる費用も事務所によってそれぞれです。
その上で、着目していただきたい点は、以下のとおりです。
■着手金や自首同行費用等が分かれている場合
着手金や自首同行費用等が分かれている場合、弁護士にどこまでの範囲の弁護をお願いしたいのかで費用が変わってきます。
例えば、弁護士に自首同行のみの範囲で弁護活動を依頼した場合、大体20万円程度の費用感となります。
一方で、自首後の逮捕、身柄拘束された場合、引き続き弁護活動をお願いしたい場合には、着手金や不起訴等を得た場合の成功報酬、1回あたりの接見費用といったものがかかってきます。
■着手金等を含め自首同行サポートパックとなっている場合
自首同行は、事務所によって自首同行に関わるすべての費用込みの自首同行サポートパックといったような名目で価格設定がされているケースがあります。
サポートパックは、自首する警察署の場所によって、前後しますが大体30万円から40万円位の費用感で、別途交通費等の実費がかかる可能性があります。
サポートパックを利用する場合の注意点として、サポートパックで決められている弁護活動の範囲をしっかり確認しておくことです。
自首同行後引き続き弁護を依頼した場合は別途費用が発生するので注意が必要
自首同行を依頼する場合に念頭に入れておいていただきたいのは、自首後、引き続き弁護活動が必要な場合には、別途費用が発生する可能性が高いところです。
自首後の弁護活動の費用感については、自首したい罪の内容によって大きく異なります。一般的に、弁護活動する期間が長いほど費用が高くつく傾向にあります。
弁護士に自首同行を依頼するとき後悔しないためにサポートの範囲を確認すべき
弁護士に自首同行を依頼するとき、後悔しないために重要なことは、弁護活動のサポートの範囲をしっかり確認しておくことです。
自首することは、起訴された場合の情状酌量される重要な要素になりえます。しかし、一方で状況によっては、少なくない費用を弁護士に支払う必要があります。
弁護士報酬やサポート範囲は各法律事務所によって異なりますので、相談時にしっかり費用面やどこまで弁護してもらえるか等を伝えましょう。
まとめ
今回は、自首同行を弁護士に依頼する場合のメリットや費用感を解説していきました。
自首は量刑判断に係わる重要な要素なひとつです。一方で、弁護士に依頼する場合、状況によって自首同行の費用の他、自首後の弁護活動の費用がかかる可能性があります。
したがって、自首同行を弁護士に依頼する場合には、自首前と自首後でどれくらいの費用がかかるかを確認すると良いでしょう。
この記事の監修者
ときわ綜合法律事務所吉田 要介弁護士
【所属】千葉県弁護士会
刑事事件は、何も対応しないままでいると身柄拘束の期間が長くなる可能性があります。
身柄拘束が長期間になると精神面はもちろん、社会的にも不利な立場になってしまう場合があります。
当職は「依頼者の視点」に立って、妥協することなく「徹底的にやる」弁護活動に日々尽力しておりますので、お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
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